【2021合格】データベーススペシャリスト試験の勉強法と参考書

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こんにちは。されんぎです。2021年の10月にIPAのデータベーススペシャリスト試験を受験し、合格しました。勉強期間は1ヶ月弱(6週間)と短期間での準備になりましたが、辛うじて合格することができました

本記事では合格体験記として、試験内容とおすすめの参考書、勉強法についてまとめます。

試験概要

本記事をご覧の方はご存知だと思いますが、データベーススペシャリスト試験(以下、DB試験) はデータベースに関する技術の専門性を認定する国家資格です。

DB試験は、試験事務を実施しているIPA(情報処理推進機構)の試験区分の中では高度試験に区分され、ITパスポート、基本情報技術者、応用情報技術者試験の上位資格です。(詳しくはこちらを参照)

受験料は7,500円です。(2021年の試験から他の試験含め一律値上げされました・・・。)

IPAの試験には春試験(4月)と秋試験(10月)がありますが、DB試験は秋試験の実施(2021年度は10月10日)です。

試験は午前Ⅰ(50分)、午前Ⅱ(40分)、午後Ⅰ(90分)、午後Ⅱ(120分)の時間と内容で区切られています。各試験時間ごとに基準点(60点)をとることが出来れば合格です。

午前試験は択一式(マークシート)、午後試験は記述式です。午後試験は記述式といっても100字以上の長文を書くことはなく、短文もしくはSQL等を用紙に記述して解答します。(詳しくはこちらを参照)

なお、午前Ⅰ試験は応用情報技術者試験の合格​、あるいは高度試験等の午前Ⅰで基準点(60点)以上をとるか、高度試験等自体に合格していれば2年間免除​されます。(詳しくはこちらを参照)

※私の場合、直前の2021年度春試験で応用情報技術者試験に合格していたので午前Ⅰは免除でした。

合格率は例年15%程度です。例えば、2020年の試験では 応募者9,468人、受験者6,536人、合格者1,031人 だったそうです。当日試験を受けた人の中での合格率が15%程度ということみたいですね。※ちなみに私が受けた2021年度(令和3年度)試験の合格率は約17%とやや上がりました。

勉強開始時のスペック

勉強を開始した時点での、私のスペック(ITスキル/保有資格)は以下の通りです。

  • 基本情報技術者試験 合格(2018年)
  • 応用情報技術者試験 合格(2021年4月)
  • E資格 合格(2021年8月)

基本情報と応用情報の合格の間に中堅国立大学の大学院(情報系)を修了しています。実務経験ですが、私はこれまでデータベースに触れる機会は少なく、総じて勉強開始時のデータベースの知識については応用情報技術者レベルだったと思います。(応用情報の午後問題ではデータベースを選択しなかったので、その実力があったかもやや怪しいですが・・・。)

本格的な勉強期間が1ヶ月弱になってしまったのは、8月までE資格の勉強に集中していたためです。ちなみに、E資格で勉強した知識はDB試験ではあまり役に立ちませんでした。※E資格についてはまた別の機会で記事にできればと思います。

2021年度の試験は10月10日(日)。勉強期間が短く、正直、今回の試験は記念受験の意味合いも強かったのですが、やれることはやりきって試験に挑みました。

最後に試験を受けた動機についても補足しておくと、今後はE資格も含めてデータサイエンティス・データエンジニアとして専門性を高めようと考えており、データベースの設計等についての知識を深める+社内外にスキルを証明しようと考えた・・・といったところです。

おススメ参考書

さて、本題のおススメの参考書と勉強法ですが、ひとことで言ってしまえば、以下の参考書を、本に書いてある通りにやる(やった)としか言いようがありません。

※2022年4月18日更新
最新、2022年度の参考書が発売されていたので、リンクを差し替えました。私が使用したのは同書の2021年度版です。

この本には付録として過去数十年分の試験問題と解答・解説 のほか、試験に出るキーワードなどがまとめられた用語集などのpdfがついています。※Webサイトからダウンロードできます。

本書は、特に過去問の解説が大変勉強になります。過去問とその解説から、DB試験に出題される問題とその解き方を網羅していくのが(特に、試験対策の上では)効率的な勉強法だと思います。

ちなみに、私はこの本を紙で購入し、どこに何が書いてあるかを示す付箋を貼りまくりました。が、それなりに厚いので電子書籍でもいいかもしれません。※あと、紙の本だからか勉強中何回か寝落ちしそうになりました…。

勉強法(合格までのタイムスケジュール)と対策内容

次に勉強法として、私がDB試験の勉強にかけた 1ヶ月弱(9月第1週~試験日の10月10日まで)の計6週間で取り組んだ内容を紹介します。

1週目 参考書の序章記載の試験概要や受験戦略を確認。その後、参考書全体の通読を開始。
2週目参考書全体を通読完了。参考書掲載の午前Ⅱに関する演習問題に取り組む。
3週目参考書記載の午後Ⅱ過去問の問題文、解説を熟読(この時点では解き方がわからないので、問題文と解説を往復して解き方を確認)。午前Ⅱ対策として過去問演習を開始。
4週目参考書記載の午後Ⅰ過去問に挑戦。さらに、午後Ⅱの過去問のうち、参考書内で対策必須とされている年度の過去問で演習を開始。 午前Ⅱ対策の過去問演習は1周目完了。
5週目午後Ⅰ、午後Ⅱともに参考書で対策必須とされている年度の過去を演習。午前Ⅱ対策は2周目を完了 。
6週目午後Ⅰ、午後Ⅱともに参考書で対策必須とされている年度の過去を演習。午前Ⅱ対策は3周目を完了 。

以下、試験内容と対策について補足します。試験の難度/優先度順に、午後Ⅱ、午後Ⅰ、午前Ⅱの順に説明します。※午前Ⅰは免除だったので扱いません。

午後Ⅱの出題内容と戦略

はじめに、午後Ⅱです。午後Ⅱは大問2問から1問を選択して解答します。例年、一つは「概念データモデルと関係スキーマ(データベースの概念設計・論理設計)」、もう一方は「データベースの物理設計」といったテーマに関する問題です。

私は 「概念データモデルと関係スキーマ」 を選択しました。理由は、後者を選ぶと試験範囲が膨大になることと、私の場合、実務でも前者を扱う可能性が高かったためです。

午後Ⅰの出題内容と戦略

次に、午後Ⅰです。午後Ⅰは大問3問から2問を選択して解答します。例年「概念データモデルと関係スキーマ」 、「SQL」、「データベースの物理設計」の3テーマに関する問題が出題されます。各テーマが複合されて出題されることもありますが、大抵の場合どれかのテーマがメインで大問が作られている印象です。

私は「概念データモデルと関係スキーマ」が含まれる問題は必答として、もう1問は当日判断で解く戦略としました。

まず「概念データモデルと関係スキーマ」は午後Ⅱでも選択予定なので、午後Ⅰでも選択します。

残りの問題ですが、まず、「SQL」は知らない構文が問われたら得点は難しいです。ただ、それほど難しい問題が出題されるわけではないため、知っていさえすれば得点しやすいと感じました。一方、過去問演習の結果、「データベースの物理設計」の方は全く解けないことはないものの、私の場合、その場の問題理解次第で得点が大きくブレてしまうことが課題だと感じました。

そこで、知っている構文について問われているなら「SQL」、そうでないなら「データベースの物理設計」を選択する戦略としました。

午後Ⅰ/Ⅱの対策

午後Ⅱと午後Ⅰの対策についてです。まず、参考書を通読することで出題内容と解答方法を確認しましす。そして、過去問演習を通して実践的な実力をつけます。

過去問演習の量ですが、私の場合、午後Ⅱは6年分、午後Ⅰは4年分実施しました。また、演習はせず、過去問の問題と解説を読むだけという勉強も1、2年分実施しました。

午後Ⅱ、午後Ⅰ、それぞれ1年分の問題を解くだけでも120分、90分かかります。過去問の解説を読む時間も含め、過去問演習の時間だけでも30時間は見積もっていた方が良いと思います。

※ちなみに、過去演習は参考書付録のPDFを印刷しホチキス止めで冊子にして本番さながらの体制で時間を計測して実施しました。

午前Ⅱの内容と対策

最後に、やや優先度の低い午前Ⅱの対策についてです。例年、午前Ⅱは過去問からそのままの出題が多く、その他は新規のデータベースに関する問題や、応用情報技術者試験レベルのITに関する問題が出題されるようです。(午前問題で過去問比率が高いのは他の高度情報、ひいては応用情報や基本情報も同じようです。)  

対策ですが、参考書付録の午前Ⅱ過去問題集を使用しました。勉強法としては、まず問題集を1周(一通り)解き、1周目に解けた問題”以外”を2周目に、2周目に解けた問題”以外”を3周目にやるという暗記型試験対策の王道で進めました。

試験対策の流れとトータルの勉強時間

試験対策の優先度としては 午後Ⅱ or 午後Ⅰ → 午前Ⅱ の順に時間をかけて、実施すると良いかと思います。

まず、最終的に暗記で何とかなる午前Ⅱについては、本格的な”対策”は後回しで良いと思います。ただ、午前Ⅱの出題内容は午後問題の基礎となる内容で、午前Ⅱがある程度解けないと午後問題も満足に解けません。そこで、私は午後問題の準備として、勉強開始後2週目辺りから参考書の演習問題などで少しずつ問題には触れていました。

次に、出題内容が一部重複する午後Ⅰと午後Ⅱです。個人的には午後Ⅱを意識しながら、まずはより難度の低い午後Ⅰで出題内容に慣れるのがいいと思います。ただ、試験難易度は午後Ⅱ>午後Ⅰなので、勉強時間としては午後Ⅱ>午後Ⅰとするべきだと思います。

きちんと計測したわけではありませんが、6週間で土日は4、5時間、平日は1時間程度勉強していたため、トータルでは80時間~100時間は勉強して合格に至ったかと思います。

試験当日について

試験は近所の大学で実施されました。

私は午前Ⅰは免除だったため、受験は午前Ⅱ試験(10時50分~)からでした。午前Ⅰの免除は、単に試験範囲が狭まるというだけでなく、試験の開始時刻が遅くなることも大きなメリットです。午後の試験は長丁場ですので、当日の睡眠時間が確保できたのは大きかったと思います。

知識醸成の意味でも、いきなりDB試験を受けるよりは、応用情報に合格してから受けるのがいいんじゃないかと思います。

試験の所感

午前Ⅱは予想通り、過去問で出題された問題が大半でした。回答の記号まで同じだったので流石に驚いた記憶があります。また、その他の問題では、春に受けた応用情報技術者試験の対策の際に見た問題が散見されました。

午後Ⅰは、やや失敗しました。90分の試験時間で二つの大問を解かなければならないので、それぞれ45分前後で解くことが理想なのですが、一つの大問(「概念データモデルと関係スキーマ」の問題)に60分もかけてしまいました。残りの30分で、大急ぎで大問2、3を見比べ、 大問3のSQLの方が短時間で回答できると踏んで解きましたが、あまり自信が持てませんでした。

午後Ⅱについては、予定通り大問2(「概念データモデルと関係スキーマ」の問題)を選択しました。過去問と比べてかなり解きやすかった印象があります。過去問では、120分あっても時間が足らないことが少なくなかったのですが、当日は時間が足らないということはなく自信をもって回答できました。(結果はギリギリでしたが・・・。)当日のSNSでも、午後Ⅱは易化したという感想が多かったです。

受験当日の注意点

受験当日の注意点としては、(これはどの試験でもそうですが)昼食は会場入りする前に用意するべきだということです。私の会場はコンビニに歩いて行くのにも10分以上かかるという場所で、何の用意もないと少々時間が厳しい状況でした。※昼食の時間は60分でした。

また、文房具についても気をつかった方が良いです。細かいところを消せる消しゴムと、定規は持っていった方が良いかと思います。

ちなみに、受験会場には20代と思しき人も多く、私が想像していたよりも若い世代が受けているという印象を受けました。

受験結果

最後に、再掲ですが私の受験結果は以下の通りです。

自信のあった午後Ⅱが60点ギリギリと、何とも付け焼き刃な印象ですが、合格することができました今後、実務経験も増やして”データベーススペシャリスト”の名に恥じることがないよう精進していきたいと思います。

まとめ

本記事では、 1ヶ月弱(6週間)でのデータベーススペシャリスト試験合格へ向けた勉強法についてまとめました。ひと言でいえば、以下の参考書を買って、書いてある通りに勉強する。が合格への近道だと思います。

本記事が少しでもお役に立てば幸いです。

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